竹内薫は科学リテラシーが欠如している
論点をメモ。後で清書する。
物理屋だから言わせてもらうと、高校での物理履修率が90%からどんどん下がって20%とかになった時点で、モノ作りの国としては正直アウトなんですよね…日本病ですね。 https://t.co/JFrQXz5fbU
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 2, 2020
・08年改訂指導要領における「物理基礎」+「物理」の構成はそれまでの指導要領構成とは異なるため単純比較は不能。1978年改訂の「物理」、1989年改訂の「物理IB」、1998年改訂の「物理I」がそれぞれ比較し得る科目であり、いずれも履修率は3割程度。2008年改訂の物理履修率は2割程度だが、それまでの「基礎理科」や「理科総合」よりも高度な内容を扱った「物理基礎」の履修率は6割を超えている。
・高校物理が必修化されていたのは1960年改訂指導要領が実施された10年間(1963~1973)のみ。続く1970年改訂(1973~1982実施)の時点で高校物理は必修から外されているが、実際の履修率は8割程度はあったらしい。高校物理の履修率が激減したのは1977年改訂以降。以来30年に渡って物理履修率は30%の状況が続いた。つまり日本では「ゆとり」時代の方が長く伝統的な教育である。ちなみに狭義のゆとり教育(98年改訂)に話を限定すればむしろ履修率は僅かに上昇している。
履修率20%について、当時の物理Iと物理IIの教科書採択数で計算したものがあった。2010年には20%を切っている。一方文科省の資料では、平成26年のデータで物理基礎が65.6%に改善したとの記述があるが、これは選択科目の物理は除外された率。https://t.co/4chLonnJhq https://t.co/VC0KPBnDer
— Shogo Nakamura (@shoogoo0) May 2, 2020
・気になる。私の手持ちの資料では上述の通り物理Ⅰに相当する科目の履修率は80年代~2000年代を通じて3割のはずであるし、物理Ⅱに相当する科目は戦後一貫して2割にも満たない。何がどうなってこの数字になったのか、後で自分で計算してみよう。
現場の実感、たぶん正しいです。物理だとばんばんプログラム書くので、まさに潰しが利くんですよね…。 https://t.co/urzA2izB1Q
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 3, 2020
2歳の息子がいるらしいので50代ではないだろう。そうであるならばきしこさんの時代から既に高校物理の履修率は3割にまで落ち込んでおり少数派である。このツイート以前に親切なフォロワーから各年代ごとの履修率データを提供されているというのに、まるで読んでいなかったのだろうか。それ以前に科学的精神を少しでも尊重する気持ちがあるならば実感で物を語るのはやめなさい。
まあ、大学の一年を受け持つ教員がそれはそれは大変なのですよ…学習が遅れている学生のリハビリから入るためです。 https://t.co/9xvQaNQVBT
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 3, 2020
理系の学者先生の被害者気取りはいつ見ても不愉快である。日本の学生の理数科目における学力は少なくともこの20年間一貫して世界トップレベルを維持している。その学生を指導することに困難を覚えるならば世界のどこに行っても通用しないだろう。近年日本の研究レベルが落ち込んでいるというのもむべなるかな。
5Gがだめなら6Gや7Gがあります。今から人材を育てれば10年後には追いつけます。「物理」は潰しの利く分野だから重宝されていました。でも、習得するのに時間がかかるのも事実で、みんな効率を求めて去りました。それがモノ作りの空洞化ですね。 https://t.co/u78WAWzueR
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 3, 2020
雑誌自体が死んでいる。いわゆる「活字離れ」の実態は雑誌離れと新聞離れが主体である。ちなみに書籍購入額は20代を除く全年代で減少している。プログラミングはいくらなんでも80年代~90年代よりも大衆に浸透しているだろう。そもそも当時のPC普及率が何%だったと思っているのか。この認識は余りにも狂っている。
数値補足、ありがとうございます。脱ゆとりで、科学リテラシーはなんとかなっているし、生物と化学は良い調子ですよね。物理帝国主義と叩かれることが多いのですが、機械も電波通信も光ファイバーもロケットもコンピュータもみんな物理法則に従うので、「物理」が20%だと厳しいと感じています。 https://t.co/kQaund2l4m
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 3, 2020
PISAにおける「科学的リテラシー」はゆとり教育中にも低下は見られず、脱ゆとり後のPISA2018ではPISA2012と比較して有意な低下が見られた。TIMSSの理科ではTIMSS2015で過去最高の成績を収めているが、その前回調査であるTIMSS2011の時点でゆとり以前と比較して有意に得点は向上している。理系を自称する方々の深刻な科学的リテラシーの欠如。
資料、ありがとうございます。「○○基礎」は本当に素晴らしいと思うのです。国民の科学リテラシーが低いと滅亡しますので。まあ、「物理基礎」が80%、「物理」が30%になれば、モノ作りに携わる人材が確保できるかなと感じています。 https://t.co/I54DJ8XJL5
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 3, 2020
反日教育亡国論を信じるネトウヨと何が違うのか。どちらも資料の独自解釈により特定の集団を社会の脅威と見なす憂国の烈士様ではないか。それに理系を自称するならば教育水準と国力の関係くらい自分で検証してほしい。試しにWEFの世界競争力報告の順位とTIMSS順位の相関係数を計算してみるとほぼゼロである。ちなみにPISAの場合だとそこそこ相関があるようだ。
海外を目指すのがベストですね。日本という国は物理学を捨てたと考えた方がいいと思います。日本というか、文科省ですけど。 https://t.co/xQY0PJVpq4
— 竹内薫 (@7takeuchi7) May 2, 2020
世界競争力報告で常に日本の上位に立つアメリカの高校物理履修率は日本よりも遥かに低かったと記憶しているが…記憶違いかもしれない。