若者論を研究するブログ

打ち捨てられた知性の墓場

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2019-01-01から1年間の記事一覧

若年層の支出行動はどのように変化したのか 俗説と統計の乖離

そこに一番来てほしい若手社員が来ないことが内内で問題になっていたところが、SNSの中では来ないほうの社員の側が「忘年会スルー」という共通の言葉で共感しはじめていることが判明したわけです。彼らは少数派ではなく多数派になりつつあったのです。 若年…

正体不明の「ゆとり教育」 / 「ゆとり教育の失敗」はどうつくられたのか

「ゆとり教育」という言葉の意味は一意ではない。私が確認した限り、初めてこの言葉が紙面に登場したのは70年代後半であり、この時は77年改訂学習指導要領のことを意味していた*1。したがって、最も広義にゆとり教育を解する場合、80年代以降がゆとり教育の…

スマホ依存によって若年層の睡眠時間は減少したのか / 本川裕氏によるデータの不正利用について

直接的なデータが明示されていない論説はまず疑うべきことを教えてくれる事例。統計リテラシーの解説本も出している本川裕氏が身をもって教材を提供してくれた。 記事によれば、 日本人の睡眠時間は減り続けている。総務省の「社会生活基本調査」によると、1…

近年の大学生の変化について / 異なる年度の偏差値を換算する方法とは

以下の記事に触発されて書いた。「学力や偏差値とは無関係」としているが、学力と学習態度には少なからぬ関連があるためこの記事も多少は参考になると思う。ちなみに、大学生の質の変化を調べたものとしては既にベネッセの「大学生の学習・生活実態調査」が…

PISAの結果まとめ PISA2000~PISA2022

前提 結果 読解力の低下 ゆとり教育との関連 PISA調査の設計 ※PISA2015・2018の読解力低下について取り急ぎメモ ※PISA2022の成績向上について取り急ぎメモ 前提 ①PISAでは各年度の調査ごとに重点的に調査される主要分野(main domain) が切り替わっている。経…

「若者の映画離れ」の実態 社会生活基本調査の結果から

社会生活基本調査 「若者の変化」については種々雑多な論者が種々雑多な主張を日夜繰り広げているのだが、若者の変化についてまず第一に参照すべきは社会生活基本調査の結果である。無い頭を絞って愚にも付かない感想文を垂れ流す前に、まずこの調査を参照す…

Twitterが凍結されたのでこちらを備忘録的に利用する予定