若者論を研究するブログ

打ち捨てられた知性の墓場

MENU

若者論

「片親パン」の流行について

TikTokのAPIはよくわからないのでTwitterにおける「片親パン」のツイート数(RT除く)の推移を調べました。以下は泥縄式プログラミング法によって書かれた半人力コードです。万一利用する場合はBearer Tokenとstart_time, end_timeの部分を任意に置き換えて…

「先輩と青年は如何にして調和す可きか」, 1909, 大隈重信, 『実業の世界』6巻4号

現代の大問題 社会に於ける先輩と青年との関係は恰かも一家に於ける夫婦関係の如くなり。夫婦相軋轢すれば到底円満なる一家の発達を望まれざるが如く先輩と青年と相調和するにあらざれば完全なる社会の発達は期し難し而も今の先輩と青年との関係を見るに青年…

若者論の歴史・概略版 そして劣化言説へ…

まえがき 60・70年代の社会学的青年論 70・80年代の心理学的若者論 80年代半ばの若者論―新人類言説 90年代の若者論―劣化言説 2000-2010年代の若者論 2020年代の若者論 若者論の本懐とは 引用・参考文献 まえがき 若者論にはどこか牧歌的な雰囲気が付きまとっ…

NHK世論調査部編, 『日本の若者―その意識と行動』, 1985年

NHK世論調査部が1985年に当時の若者(13~29歳)を対象として実施した、意識と行動調査の集計結果表です。いわゆる「新人類」と呼ばれた世代を対象としており、それはまえがきにおいても触れられているのですが、当時としてはまだ「なんか最近の若者は『新人…

若者論の構造③―若者論に反論できるのか(できない)

無理 前節までは日本における若者論の構造を概観してきた。それでは,若者論にはどういった反論が有効なのだろうか。結論を先に示せば,若者論に反論することは無理、或いは極めて難しいと言わざるを得ない。何故ならば,若者論が本当に求めているのは,他者…

若者論の構造②―二極化する若者論

前回 依存・離れ言説 二極化・二面性言説 性の二極化言説 参考文献 若者論はありとあらゆる道徳的語彙といいがかり資源の組み合わせでつくられている。その必然的帰結として,若者論は常に一貫した体系を持っているわけではなく,しばしば若者論同士が矛盾す…

いまこそ活かせ “いま時の若いもの”の力 申すまじ“青二才”/高橋大将談

若い者は(判読不能)よくやつてゐる。こんどの戦争で若い人のほんとうの力をいくども私たちは見た、日本の歴史をふりかへつてみてもわかるごとく、歴史を創るものは常に若い人の力である〔…略…〕では銃後はどうであるか、(判読不能)維新の際御奉公の中心と…

若者論の構造①―若者論のつくりかた

若者カテゴリーの系図 若者論に取り組むにあたって,最初の障害となるのはその「膨大さ」である。若者論は政治・経済・文化の諸問題から,国家論,社会論,日本人論に至るまで,ありとあらゆる分野で論じられている。しかも,それらの若者論は首尾一貫した体…

若者論の危機

若者論の意義 (恐らくは)古代から今日に至るまで、連綿として繰り返されてきた若者論の存在意義とは何か。私は若者論の逆機能とでも言うべき現象がその一つであると思っている。ここでいう逆機能とは、若者論において特定の若者像が強調されるほど、当の若…

恐怖の自殺ゲーム「青い鯨」について

最早誰も覚えていない話題だと思いますが供養のため4年前に書いた記事をこちらに載せておきます。備忘録程度の内容だったので多少筆致が乱れていますがご容赦ください。 何これ怖っ。まあ興味を惹かれるのは分かるけどネットの個人発情報を一から十まで真に…

オウム真理教及びその後継団体の新規信者数について

新興宗教にあっさり騙されるレベルのはてなーのリテラシー 論破王・ひろゆき氏 「2ちゃんねる」を知らない若者世代からの支持も(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース [これはひどい] [web] 例えは悪いけど、地下鉄サリン事件を知らない世代がオウムの後継…

はてな民のリテラシーの低さまとめ

まえおき 唐突だが所謂「ネトウヨ」と呼ばれる人たちは決して馬鹿ではない。俗説に反した彼らの社会経済的地位の高さは様々な論者が指摘しているが、それは実証的にもある程度示されている(樋口他 2019)。一見奇妙に見える彼らの言動も、ジョナサン・ハイ…

コロナパニックでリテラシーの低さを露呈するはてなー達

猿でもわかる統計リテラシー できるだけ分かりやすく説明する。ここに、それぞれ100名で構成される二つの集団A,Bがあったとする。そして、それぞれの構成員はその集団内で重複しない0~99の値を持つとしよう。これは、その人が持つ「ワクチンに対する正しい知…

「確率」と「確立」について

今の子は「確率」と「確立」の違いが分からない? 驚き桃の木山椒の木である。「確率」と「確立」なんて超が付くほど典型的なあるある誤変換だろ…と思っていたのだが反応を見るにこれを「混同している」「間違って覚えている」と認識している人が相当数いて…

子供の自殺にいちいち騒ぐな

最初に結論から書くと、子供の自殺増加の原因はコロナ禍による休校と2000年代半ば以降から続く学業時間の増加傾向だけでも十分に説明が付く。かつ、子供の自殺が増加したと言っても、最も自殺率の高い高校生でせいぜい世代人口の0.01%程度に過ぎない。個人的…

「『それでも若者は自民党を支持する』論はもうやめようや」への批判

anond.hatelabo.jp 何の根拠も提示せずに自分の思い込みだけで「特定集団のせいで国が滅びる」と宣う連中がどの面下げてネトウヨを馬鹿にしているのでしょうか。私がきちんと批判するのではてなの皆さんはちゃんと受け入れてくださいね。 元増田について 普…

公園の遊具が減っているという主張について

少なくとも20年以上前よりは増えている。以下は国土交通省が平成10年より3年毎に実施している『都市公園における遊具等の安全管理に関する調査』における公園遊具の設置状況の推移(H10~R1・都市公園)である。 (別表)都市公園等における遊戯施設等の設置状…

「ゆとり」関連デマのまとめ

円周率が3 hajk334.hatenablog.jp 皆で手を繋いでゴール hajk334.hatenablog.jp オンリーワン hajk334.hatenablog.jp 付き合いを嫌う hajk334.hatenablog.jp 学力低下 hajk334.hatenablog.jp hajk334.hatenablog.jp hajk334.hatenablog.jp PC離れ hajk334.h…

最近の若者は批判を嫌うのか

①「批判は良くないという風潮」は実在するのか ②最近の大学生は「皆で仲良くし、和を乱すべきではないと学んできた」のか 皆で手をつないでゴール ゆとり教育では競争を教えない 2位じゃダメなんですか b.hatena.ne.jp 東京外国語大の小野寺拓也講師(ドイツ…

子供・若者の読書離れについて

①学校読書調査 毎日新聞社と全国学校図書館協議会が共同で実施している経年読書状況調査。第1回調査は1954年に実施され、現在に至るまで1年ごとに計65回の調査が実施されている。ただし、全国学校図書館協議会と連携し、抽出方法が全国ランダムサンプリング…

若者のPC離れについて② なぜおじさんは若者のPC離れを信じるのか

上の記事に示したように、『通信利用動向調査』『青少年のインターネット利用環境実態調査』によれば、現在の20代のPC利用経験はそれ以前のどの世代よりも豊富である。また、『消費動向調査』によれば、20代のPC保有率は2010年代以降概ね7~8割を推移しており…

最近の若者は何故すぐに自殺するのか

識者の意見をまとめてみました。 近頃青年の自殺が流行するので、世間にはいろ/\に其の原因を研究するものがあるが、吾輩は青年の自殺に同情もしなければ別に大問題とも思はない。蓋し人生問題を哲學的に見る日には複雑限りないが、眞理は極めて簡単である…

若者のPC離れについて① PC世代である若者世代とPC離れが進む子供世代

若者のPC離れ 以下の表は『通信利用動向調査』において、「インターネットの利用機器」としてパソコンを選択した者の割合である(全体・複数回答可・無回答含む)。パソコン利用率はスマホが登場するまでは右肩上がりであり、かつ、スマホが爆発的に普及した…

若年層の支出行動はどのように変化したのか 俗説と統計の乖離

そこに一番来てほしい若手社員が来ないことが内内で問題になっていたところが、SNSの中では来ないほうの社員の側が「忘年会スルー」という共通の言葉で共感しはじめていることが判明したわけです。彼らは少数派ではなく多数派になりつつあったのです。 若年…

スマホ依存によって若年層の睡眠時間は減少したのか / 本川裕氏によるデータの不正利用について

直接的なデータが明示されていない論説はまず疑うべきことを教えてくれる事例。統計リテラシーの解説本も出している本川裕氏が身をもって教材を提供してくれた。 記事によれば、 日本人の睡眠時間は減り続けている。総務省の「社会生活基本調査」によると、1…

近年の大学生の変化について / 異なる年度の偏差値を換算する方法とは

以下の記事に触発されて書いた。「学力や偏差値とは無関係」としているが、学力と学習態度には少なからぬ関連があるためこの記事も多少は参考になると思う。ちなみに、大学生の質の変化を調べたものとしては既にベネッセの「大学生の学習・生活実態調査」が…

「若者の映画離れ」の実態 社会生活基本調査の結果から

社会生活基本調査 「若者の変化」については種々雑多な論者が種々雑多な主張を日夜繰り広げているのだが、若者の変化についてまず第一に参照すべきは社会生活基本調査の結果である。無い頭を絞って愚にも付かない感想文を垂れ流す前に、まずこの調査を参照す…