若者論を研究するブログ

打ち捨てられた知性の墓場

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Wikipediaの学力低下が酷すぎる件について

※文字通りです。

以前、Wikipediaの「学力低下」のページが酷いという記事を書きました。

問題点は既に修正したのですが、何が酷かったのかと言えば全く架空の調査結果が捏造されていたことです(そしてそれが学力低下の"証拠"とされていました)。詳細は上掲の記事を参照してほしいのですが、ここでも簡単に説明すると、2013年に実施された志水宏吉らによる学力調査の結果が、実際の結果とは正反対に記述されていました。しかもやけに具体的な謎の数字のおまけ付です(もちろん出典は示されていません)。

と、いうわけで問題点に気づいた私( ID:Yamataro555)はWikipediaの理念に従って粛々と修正したわけですが、今日ふと気になって「学力低下」のページを見ると、何故か私が修正・追記した部分が綺麗に削除されていました。削除されたのは3日前、削除したのはそれまでに投稿記録の無いユーザーです(ID:サマムガ)。

この時点では「学力低下論者が無駄なあがきをしおって…」くらいに思っていたのですが、他にサマムガさんが変更した箇所は無いか調べていると、2021年度の「全国テスト調査」の結果を追記していることが分かりました。

これがそのスクリーンショットです。
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ちなみにですが、90年代から毎年実施されている経年比較可能な全国学力調査は存在しません。[11]という何やらそれらしい脚注番号が付されていますが、出典元の資料にも一切全く出てこない架空の調査です。前回編集した時はこの謎調査の存在に不覚ながら気づいていませんでした。勿論即刻削除です。

で、思うのはですね、一体この手の捏造をする人は何が目的なんだろうと。学力向上を示す記述を削除しているからてっきり学力低下論者かと思いきや、それとは反対に2000年代の学力向上(捏造)を示す記述を補強したりと、何がしたいのかまるで分かりません。敢えて言うなら2010年代以降の学力低下を示したい人なんでしょうか、うーん、わからん…

まあいずれにしたところで全く架空の調査が二つも捏造されていたのは事実でして、恐ろしいのはそれが本当に事実なのか、原典に当たらない限り第三者には分からないということです。もしかすると、今こうしてこんな記事を書いている私こそが事実を捏造しているのかもしれません。というわけで私がWikipediaで引用した部分の画像を以下に載せておきます。
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f:id:HaJK334:20220226164537j:plain

もちろんこの画像も捏造された可能性はあるのですが、その時はいっそ私の労力を褒めてください。

あー…やっぱりサマムガさんは最近の子どもの学力が低下したと言いたいのですかね…今目の前で編集されましたよ。こんな感じです。
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「年齢が上がるにつれて~再び学力低下となった」って…そもそも志水調査とPISA調査は全く別の調査なんですが。「学力」という唯一固有の実体があると思っているのですかねこの人は…それに過去最低と言ってもPISA2018とPISA2003-2006は有意差がないし、そもそも読解力と数学的リテラシーについては過去最低じゃない…と思ったらPISA2018の数値も改竄されていました。

出典を確認する人間は千人に一人もいないという教訓を後世に遺すため改竄されたPISA2018の数値はそのままにしておきます。ちなみに「学力低下」の10倍以上のアクセス数を誇る「ゆとり教育」のページでも同じ改竄が行われていました。万人に一人もいなかったようです。もう終わりだよこの国。

追記

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アホらしくなったので後は任せます