若者論を研究するブログ

打ち捨てられた知性の墓場

MENU

円周率デマについてのメモ

news.yahoo.co.jp
円周率デマを解説する記事は解説する側も正確な経緯を理解していないことが多いのだが、上掲の記事は重要なポイントを抑えていてかなり正確性の高い記述である。あえて屋上屋を架すと、89年改訂指導要領と98年改訂指導要領の円周率に係る文言は全く変わっていない。つまり、円周率が3になったと騒ぐ人間さえいなければ、89年改訂と同様にこの文言は等閑視されていた可能性が高い。

この点について、歯止め規定における小数の規定との関連で3を使わざるを得なかったという主張もあるが、歯止め規定を考慮しても円周率の規定(3.14を使う)が優先されることに変わりはなく、当時の文科省も円周率の指導が従前と変わらないことを強調している。この議論については下の記事及びそのコメント欄を参照してほしい。
hajk334.hatenablog.jp

個人的に冒頭の記事の白眉は「某掲示板」の影響を挙げていることだ。私は常々ゆとり言説論者は「成功したネトウヨ」だと思っているので、往年の某掲示板風に言うと禿同である。ゆとり言説が流行した経緯は明らかにネトウヨのそれに類似していると思うのだが、それが言及されることは殆どない。

たとえば市川(2002)で挙げられた三つの学力低下論の源流には当然含まれていないし、ゆとり教育批判を構築主義的に考察した岡本・佐藤(2014)でも全く触れられていない。まあ触れると自動的に2ちゃんねらー認定されてしまうので触れにくいというのある。