ここでいう「学業」とは、「学校(小学・中学・高校・高専・短大・大学・大学院・予備校など)の授業や予習・復習・宿題 校内清掃 ホームルーム 家庭教師に習う 学園祭の準備 学習塾での勉強」を指す*1(令和3年社会生活基本調査 用語の解説 別表2)。
なお、「大学・大学院生」の数値はそれぞれの推定母人口による加重平均値だが、なぜか平成28年版報告書より在学生の学業時間推移が掲載されなくなったため、平成28年, 令和3年の数値は自分で計算しなければならない。それぞれの数値はH28:大学生231分・2,843千人, 大学院生333分・214千人, R3:大学生204分・2862千人, 大学院生196分・257千人である。というわけで、令和3年の大学院生の数値が明らかにおかしい。
単純に大学生より少ないという時点でおかしいのだが、その内訳を見るとますます意味不明である。上表の通り、スマートフォンの使用者:198分/不使用者:226分に対し何故か総平均は196分である。加えて、スマートフォン使用者のうち「1時間未満」から「12時間以上」の学業時間を見ても明らかに計算が合っていない。
なお、「総数」には「分類不能」「不詳」も含まれるため、サンプルサイズの内訳と総数は一致しない。また、表中「…」となっている箇所はサンプルサイズが10未満で、結果精度の観点から表章していない箇所とされている。
そこで、スマートフォン使用者のうち(分類不詳の)選ばれし17名(307-290)の学業時間を0、表章されていない8名の学業時間も0とすると、スマートフォン使用者の学業時間加重平均値は231.4分…と、やはりどういじくっても計算が合わない。「…」が何か悪さをしているとしか思えない。現在問い合わせ中である。
↓以下返信
お世話になっております。
総務省統計局の〇〇と申します。ご連絡が遅くなり、申し訳ありません。
ご質問いただきました、
大学院(在学者)の学業時間が少ない件につきまして、
具体的な原因についてはわかりかねますが、
大学院(在学者)は発生件数が少なく、
これに関する数字は誤差が大きいと考えられます。また、スマートフォン等の使用時間による加重平均値との乖離の件ですが、
「総数」及びスマートフォンなどを「使用した」の総平均時間は、
総平均時間を算出する分母の属性別人口にスマートフォンなどを
「使用した」「使用しなかった」の不詳が含まれるため、
スマートフォンの使用時間別総平均時間の加重平均値と乖離が
生じることも考えられます。ちなみに、スマートフォン等の使用時間の結果につきましては、
前回とスマートフォン等の使用についての定義が異なる
(前回は学業や仕事として使用した場合を除いている)ため、
比較できないことにご留意ください。
そんなわけで総務省的には特に問題はないという認識らしい。うーんこの。
id:businessart
*1:必修科目として行うものでないクラブ活動・部活動はその内容により「趣味・娯楽」または「スポーツ」に分類される。